ミステリーの10月

分別のある大人としては読書をしようと思いたち、ひと月にひとつざっくりとテーマをきめて、それに関連する本を3冊以上読もうという生活更生キャンペーンをはじめたよ。今月はミステリー。

 

火車宮部みゆき 9/27~10/2

カネの怖さと、女の悲しきエネルギーに恐れおののきながら、最後には美しいセンチメンタルが残る作品。思い返してみればところどころ予測がついてしまう感はあったものの、読んでいる最中はすごくひきこまれた。謎のスリリングさ、事件性というよりはむしろ犯人の女の持つ自分の人生を絶対に絶対に絶対に取り戻してやる、掴み取ってやる、そのためにはなんだってやってやる!という悲痛な決意に胸を打たれる。

 

②カーデュラ探偵社/ジャック・リッチー 10/3~10/8

河出文庫はやっぱ装丁のセンスあるな。という実感の元いそいそと購入した短編集。どれもユーモアたっぷりかつ素晴らしいスピード展開でこんなに短いのになんだこの目線をぐるりと変えられちゃう感じは。若い女にもおばあさんにも見える絵ってあるじゃない、ああいうのをじっと見てたら、ふとした瞬間に違う図が浮かび上がってアッと思うあの感じを体験できる作品がいっぱいあって夢中になれた。カーデュラ・シリーズは本当にすてきで、もっとたくさんシリーズがあればなあ!本好きの子供にすすめたい作品。

 

③その女アレックス/ピエール・ルメートル 10/9~10/13

最高。3章もので、1章ごとに「アレックス」の見え方がめまぐるしく変化していく。1章ではアレックスの体験した恐怖におびえ、なんでこんな素敵な女の人がこんな目に…と心が痛み、2章ではアレックスのまさかの行動にサイコなのか?と驚き、3章では彼女の真意を悟って静かに泣く。謎は陳腐ではない本当の謎で、何度も「なんでこんなことをしたんだろう?」「今のはどういう意味なの?」と本気で戸惑うが、それがじれったい人間味あふれる警部たちによって3章であきらかにされていく。ほんとうに良質なミステリーだった。正義は勝つ…といえるほどきれいごと然とはしていないけれど、ラストにちゃんと救いがあるのもいい。

 

海外作品ってなんとなく敬遠してたけどサイコ―。考えてみれば映画は洋画派っていうか邦画ってだけでウンザリしちゃってほとんど観る気なくすのに、なんで本は今まで日本派だったんだろ。これからは好き嫌いせず海外のも読んでみよ。

 

全然関係ないけど、最近サウスパークみてる。こないだシーズン1を観終わったんだけど、とりあえず「気分はどうだ?」って訊かれたとき友達と声を揃えて「サイテー」って言ってみたくてうずうずしてる。あとdude!って可愛い声で言いたい。4人いる少年の中で今のところカートマンが一番好き。ああいうホントお前サイテーだな!って言い切れる感じの人間に憧れてる。すでに本心はカートマンなので、この息をするように取り繕う癖をなくしたいものです。みんなもそうでしょ?

 

わたしたちはあしたをかえることができるか